今回は愛月ひかると昨年度2次試験合格者の3名との座談会を開催いたしました。
昨年度の宝塚音楽学校受験を終えての今の心境や、
学校生活での悩み、この機会に愛月に質問したいことなど、
レッスン場では見ることがない彼女たちのリアルな声をご紹介します!
愛 愛月ひかる
風ちゃん 高校3年生 3回目の受験ではじめて2次試験通過
光ちゃん 高校3年生 3回目の受験ではじめて2次試験通過
音ちゃん 高校1年生 1回目の受験で2次試験通過
*生徒は仮名です。
愛:では始めましょう!
風・光・音:お願いします!
*今の心境について
愛:まずは・・・受験から半年くらい経った今の心境とかを、それぞれ聞かせてもらおうかな。じゃあ・・・風ちゃんからいこうか。
風:前々回の受験後は落ちてけっこう落ち込んでたんですけど、先日の受験ではもう落ち込むというよりは開き直っていて。あんまり下がってる時間がなかったんです。
愛:そうなんだね。
風:下がる時期がないまま新年度をスタートできたので良かったなと思ってたんですけど、あまりにもメンタルが安定してて、昨年までが不安定すぎたので、自分が余裕でいるつもりはないんですけど精神的に余裕を感じているのかなと思って一瞬不安になったんですけど、今はポジティブに頑張ってると思います。
愛:いいんじゃないかな。無駄だもんね、落ち込んでる時間が。たしかに少しピリッとしたほうがいいっていうのはあるけど、まだ前半だから。後半までその感じだったら困るかもしれないけど。でもポジティブに頑張ろうっていう気持ちが今一番あるんだったらそれはすごくいい方向なんじゃないかな。
風:はい。
愛:じゃあ音ちゃん
音:初受験だったので色々感じることがありました。とにかく中3で合格したいっていう想いがすごい強かったので本当に悔しかったんですけど、その分やる気が以前よりすごい増したというか、バレエが足りないっていう風に明確に何をやればいいかわかって、バレエに集中できるようになりました。宝塚受験だけじゃなくて勉強の方でもやる気が出て。
愛:学校もってこと?
音:めちゃめちゃ成績もよくなって
愛:えー!すごいじゃん!
音:やる気がみなぎっているっていう感じです。
愛:それすごく素晴らしいね!勉強がおざなりにならずにそっちも同じ気持ちで向上できてるっていうのはすごいと思う。中卒で絶対受かりたかったっていう気持ち・・・すごく私もわかる。中卒って周りからは「まだまだ受けれるもんね」みたいに言われるし、「別にいいんだよ今回は」みたいに言われることが嫌なんだよね。すごい分かる。
音:(うんうん)
愛:一回で受かりたいよね、そりゃ誰だって。その気持ちすごくわかるけど、でもそれでね、いろんなことを学べたし、音ちゃんに関しては明確にバレエが足りないっていうことがわかってるから、頑張る目標が明確にあるのはすごく自分としても楽だろうし、でもだからこそそこだけを突き詰めていくことで多分、けっこうわーってなっちゃうかもしれないから、そこだけに視野を狭くしすぎず
音:はい。
愛:全体に広げて、もっと他のも向上していきつつっていう今の気持ちでやってったらいいんじゃないかな。
音:はい。
愛:じゃあ光ちゃん
光:私は過去の2回がほんとに実力不足で2次試験にいってしまったので「今回はそれだけは絶対避けたい」と思っていてとにかく実力を上げることだけに集中して昨年はやっていたので、それが3次試験までいけたということで少しは実りがあった1年ではありました。3次試験で落ちてしまったことで、やっぱりまだまだ実力を上げていかないと、その上の40名には入れないんだなと痛感しました。
愛:でも何か変われたから絶対3次にいけたんだと思うし、絶対成長はしていってるから、その調子で今年もどんどんさらに磨きをかけていったらいいと思う。
光:はい。
*2次試験まで通過したこと、3次試験で落ちてしまったことについて
愛:では次に・・・3次試験で落ちてしまったということに関しての悩み事とかある?
音:3次試験まですっといけたからこそ、次回1・2次で落ちてしまうんじゃないかっていう不安があって・・・
愛:それね。前回1・2次通過できたからって、次も絶対にいけるものじゃないじゃない。毎年同じ審査員の先生方じゃないし、好みもあるんだろうし、それこそそこは運じゃない。誰と一緒に踊るのか、とかも。一緒に入室する10人がどういうメンバーなのかとかさ。ほんとにそれって運命だから、それはもう自分が引き寄せるしかないから、そこは先生として何と言ってあげたらいいかわからないけど、でもいい意味で自信は絶対に持っていいと思うわけ。前回いけてるんだから。それで驕っちゃだめだけど、3次までいけたんだからっていうその自信がいい意味でオーラとして「私は3次までいってるんです」っていう自信としてでればすごいいいと思う。でも不安なのはすごくわかるよ。
光:3次で受かる人と落ちてしまう人の差とか特徴とかあるんですか?
愛:うーん・・・読めないよね、ほんとに。決して面接だけではないし。私の受験の時代よりも、みんなはさらに技術を見られてるんだな、というのはすごく感じる。なんだろうな・・・スター性とオーラだけで入っちゃう人が最近少ないじゃない。わりとちゃんとバレエ踊れなきゃだめだしさ、歌だってある程度歌えなきゃいけないし。でもスター性だけでは音楽学校入っても苦労しちゃうから、やっぱりそこを見られているわけよ。かわいいなとか、男役としてこの子いいなみたいな感じだけで入ってしまうと、入ってからすごく苦労する、苦労してる同期いっぱい見てきてるし。でもやっぱり・・・うーん・・・運も含めて、確実にみんなが努力した結果だとは思うのね。みんなが3次試験までいけたのだって今までの積み重ねじゃん。昔のままだったら絶対にいけてないだろうし。だから努力はほんとに無駄にならないと思う。だけどそこからのもう一歩とかって、「こういう子受かるよ」みたいなことって毎年違うだろうし、それは一概にこういう子だったら40人に入れるとははっきりは言えないよね・・・うん・・・と思う。
光:ありがとうございます。
風:それこそ3回受験して前回でやっと3次試験にいけたんですけど
愛:すごいよ。
風:3次試験の「運」の要素が強いというのも、2次試験の点数が本当に大事なのもわかってるんですけど、1次でも2次でも3次でも、一瞬目を離されてしまったり、私はあまりインパクトのあるタイプではないので・・・
愛:それを感じるの?試験中に?
風:試験中には感じないですけど、合格したいと思ったときにやっぱりインパクトが足りない、印象に残る力が足りないってどの科目においても思っていて、それを最後まで見せられなかったらすごい後悔が絶対残ってしまうと思っているんです。3次でアクリル板のせいか質問が聞き取れなくて終わってしまったので・・・
愛:それは辛いよね。
風:2問だけだったんですけど、自分のことを何も話せないまま終わってしまって。
愛:なるほどね。
風:また同じようになってしまったら、長くレッスンしてきたのに結局自分を出せないまま終わっちゃうていうのが一番怖いなって思っています。
愛:それはやっぱり先生方の声が小っちゃかったから?いつもの面接の練習でするみたいに「すいません、もう一度お願いします。」っていうのでやったんでしょ?
風:それを審査員の方に5回ぐらい言わせてしまった・・・質問を5回くらい言っていただいたのに聞き取れなくて
音:(うんうん)
愛:そんなにちっちゃいの声!?
風・光・音:(うんうん)
風:こちらの緊張のせいもあるんだと思うんですけど、聞こえなくて。隣の先生が助けてくださって。
愛:もう「え??(耳に手を当てて)」ってやっちゃえば(笑)もうそこで笑いとっていかないと(笑)
「すみません!耳が悪いんです!」って(笑)
風:合格した子が、3次試験がトラウマでって言って3次の前に泣いてたんですけど
愛:聞こえないからってこと?
風:いや、しーんと静かになっちゃって怖くて・・・って言っていたのと全く同じ状況になってしまって。
愛:あれを楽しめっていうほうが無理だと私は思ってるんだけど、自分もそうだったから。でもやっぱり何事も絶対それでちょっとクスっと笑えたりとか、そうなっちゃったとしても、聞き取れなかったとしてもクスっと笑える状況で終わってたらいいってことよね。シーンって感じだったの?
風:もう・・・ひどくって
愛:じゃあ逆に原因はそれじゃん、って感じ。逆にそこ頑張ったら絶対大丈夫じゃん。私もレッスンの時小さい声で質問しようかな、これから。
風:また同じ状況になったら、今年と全く同じ状況で始まったらどうしようもできない。今の私でも改善策が見つからなくって、解決策が見つからないまま同じ状況になったら絶対後悔してしまう。
愛:そんな難しい質問だったの、その聞き取れなかった質問?なんだったの?
風:ダンスより歌の方が点数いいよね、っていうお言葉を・・・
愛:あ、質問とかじゃなくて?
風:質問なのか感想なのかもわからなくって
音:私も聞き取れなくて、こんなこと言ってるのかなくらいで、ちょっと適当に答えちゃって
愛:そうか。
音:その代わり雰囲気はよくしとこうと思って
愛:ニコニコしてたんだね。
音:はい。
風:聞き取れた人は全然聞き取れたって
光:私は聞き取れました。
愛:私なんて地方出身じゃないのに自分の住んでる町について話してください、みたいな感じだったから「そんな変わったところないんですけど!」って感じでめっちゃどもりまくって、めっちゃ同じ言葉で5,6回つっかえて、でもつっかえすぎて話先に進まないから「っていうことを言いたいんですね」って誰かがまとめてくれて終わったんだけど。だから私ももう決して3次はひどいもんであった。
だからそれはそれで印象に残ればいいと思うんだよね。「あの耳が悪い子」みたいな。
風:「耳が遠くて!」って言えば
愛:そうだね、そうすれば?面白くしちゃえば?「すいません、耳が遠いみたいです~!」って。
風:2年前に合格した子があまりにも質問が聞こえなくて、アクリル板をのけていったって言ってて、私もやれば良かったなって。
愛:(アクリル板からのぞく動作)ひょっこりとかさ。印象に残ることをやっちゃえばいいんじゃない?
かわいらしいじゃん、それだったら。アクリル板超えてでてきちゃったら「おいおいおい」って感じだけど、
風・光・音:(笑)
愛:(アクリル板からのぞく動作)「すいません」ってやるくらいだったらかわいいし、いいんじゃない?最悪ね。その空気に飲まれず、そこまで聞こえないなら面白いことやってやろうぐらいなメンタルの強さで。今年はメンタルが安定してるんだったら。
風:はい。メンタルで。
part2へ続く